私が考えた最強のホヤたちです!
- ホッカイボヤ
- 北半球の沿岸部に生息するホヤ。黒味を帯びた体色から黒ボヤの別名をもつ。特に日本海の海流で育ったものは香りが高く味わい深いと珍重され、旬の時期には黒いダイヤと称されたものが高値で取引されている。
- ケンサキホヤ
- 胴体の上部が細く尖っているホヤ。比較的深い海域に棲んでいるため漁獲されにくい。食用になることもあるが鮮度の低下が非常に早いことから流通はされず漁業関係者の間のみで消費される。
- マダラボヤ
- 体表に大きな斑点をもつホヤで沖縄以南の温暖な海域に生息する。サポニンという成分が多く含まれているため非常に苦く食用には全く向かないが、まれに観賞や飼育用に流通することがある。
- テングボヤ
- 鮮やかな赤色をしたホヤ。古来より悪人が近づくと無限に広がる大きな口で丸呑みしそのまま地獄へ送ってしまうという伝承がある。九州地方では毎年夏になると本種をかたどった神輿を担いで回るホヤ祭りが行われているほか、姉妹都市であるアメリカ合衆国ノースダコタ州のビズマークでは1997年の祭りで使われた像が寄贈され、展示されている。
- オキウキボヤ
- 岩礁に定着せず海面を漂いながら生活しているホヤで潮に流されてきたプランクトンを摂取している。その生態からヒゲクジラ類に周囲のプランクトンと共に捕食されるほか、カモメなどの海鳥類に狙われることも多い。
- ミナミウキボヤ
- 温暖な海域に生息するウキボヤ類の仲間でプランクトンとともに海面を漂っている。集団で海面に密集する傾向があり、半透明の体は光を反射しやすくレーダーを散乱させるため哨戒機による監視活動の妨げになることもある。大戦時には欧米の艦隊が、大量発生した本種を敵の潜水艦と誤認し総攻撃を仕掛けたという逸話は"史上最大の誤射"として語り継がれている。
- マンジュウボヤ
- ずんぐりとした茶色い胴体が特徴でオーストラリアやニュージーランドなどの南半球で生息が確認されている。成体のほとんどがシガテラ毒を保有しているためほとんどの国で食用目的での取引が制限されている。
- オオマルタボヤ
- 直径が30cmほどにもなる大型のホヤでおよそ水深200メートルの海域に生息する。異常発生したものが底引き漁網に掛かることもある。引き上げをする際にはその異常な重さによって漁船が傾いたり網が破れてしまったりすることもある。食用にも向かないため漁業関係者からは非常に嫌われている。
- カイレイボヤ
- 水深8000メートル付近のみに生息しているといわれているホヤ。研究に使われるサンプルは海岸に漂着したものしか得られず未だに生態の多くが謎に包まれている。2016年2月には深海探査艇かなづちによる調査によって初めて生きた姿がカメラに収められた。
- ムラサキカクレボヤ
- 主に北半球の海域に生息していたホヤ。胴体は紫を帯びた黒色で岩陰に生えていることが特徴。環境の変化やオオウミカクレボヤとの競合によって個体数が激減し1972年に1体が捕獲されたのを最後に絶滅した。保護されたものはカナダの水族館で展示されていたが1週間後に同居する魚によって食べられてしまった。
- アワボヤ
- 水に溶かしたり浸したりすると泡立つことが名前の由来となっている。体液に界面活性剤と同等の成分を含んでおり、これらが石鹸として使えることが伝統的に知られてきた。ある国では腐りやすい部位を除いた後に真水で洗い一ヶ月ほど乾燥させたものが流通し利用されている。合成洗剤に代わる新たな資源として注目されつつあるが、漁獲や流通にかかるコストや乱獲による生息数の減少が懸念されており、2021年3月には生命波動本舗が本種を粉砕し入浴剤として加工したものを販売し「エキスの効果により湯船のお湯の入れ替えが一切不要で体内の波動を活性化する」として謳っていた。しかし、実際には原料に本種は一切使われておらず、中性洗剤とカキ殻を混合しただけのものであった。本種の体液に含まれる成分はあくまで親水性が極めて高いことが知られているだけであり、それ以上の効能や栄養価を有するものではないため学的根拠も乏しい。製品を使用した場合、風呂のポンプを詰まらせて故障を招く可能性があるとして政府は同社に対し商品の回収を命じ、消費者には使用を中止するよう勧告を行った。
- オニボヤ
- 冷たい海域に生息する鮮やかな赤色をしたホヤで、危険が迫ると体を大きく膨らまして威嚇をする。ある地域では本種をモチーフにした"けんかぼや"と呼ばれる伝統工芸が祭りなどに使われている。
- ネッタイオオボヤ
- アフリカ大陸沿岸部に生息する比較的大型のホヤ。現地では食用にされず皮革製品の材料として利用されている。地理的に大きく離れた南米にも生息していると知られていたが、近年行われた遺伝子調査の結果、別種であることが認定された。
- ヒガンボヤ
- 強い神経毒を持つホヤ。舐めただけでも死に至らしめるといわれるほどで、致死量に換算した場合の毒性は有毒生物の中でもトップクラスである。日本海側では塩と米ぬかに3年ずつ漬けておくと解毒されることが経験的に知られており伝統的な珍味として利用されてきた。現在でも製造を認められたごくわずかな個人や業者によって生産され、毒性チェックが行われた後に出荷されている。
- アカキンチャクモドキ
- 胴体の上部に細長い突起が密集して生えている。長らくイソギンチャクとして分類されていたが立派なホヤである。このホヤの種名を、現在では準惑星に格下げされた冥王星を引き合いに出して改めるべきかどうかについて、激しい論争が繰り広げられている。2003年には絵本作家のおおもりはなこによって本種と上記のエピソードをもとにした児童書「ぼくのほんとうのなまえ」が執筆された。
- ウチワボヤ
- 海底の砂地に生息しているホヤ。細長い胴体に扇状の突起が生えている。これらは古くなると新たに生え変わり、体表の突起を切断し砂に刺しておくと胴体が再生される。その生態から海のウチワサボテンとも呼ばれることもある。
- フエボヤ
- 入水孔が綺麗に横並びになっているのが特徴。乾燥させたものに息を吹き込むと音が鳴るため自然のオカリナとも呼ばれることもあり、古くから子供達の手作りの玩具として楽しまれてきた。地中海に面する遺跡では中身をくり抜かれた形跡のある残骸が出土しており当時から笛として使われていたことが示唆されている。
- イガグリボヤ
- 体表が無数の棘に覆われている一見危険そうに見えるホヤ。しかし棘が刺さることも無く毒も持たないため見かけによらず全くの無害である。このような生態に至った理由は定かではないが、自らを危険なものに見せかけて外敵から身を守っているという説が有力である。近年ではヨーロッパで神経系を破壊せずに生きたまま火を通す調理法が禁止され、アメリカのある州では非人道的との理由から調理そのものを禁ずる法案が可決されるなど、各国で規制の動きが広がっている。
- キンチャクボヤ
- 温暖な海域に広く生息している胴体の先端がすぼまった形のホヤ。普段は入水孔が巾着袋のように閉じているが餌であるプランクトンを摂取するときには大きく開く。その独特な姿と動きから、イルカやクジラ、ウミガメ、マンタと並ぶ海の人気者のひとつとして知られ、水族館では主役として展示されるほか、シーズンになると多くのダイバーが魅力に惹かれて海を訪れる。。
- コブシボヤ
- 石のように非常に硬くざらざらした体表をもつホヤ。地中海から大西洋にかけて生息しておりスペインやポルトガルでは古くからその特徴を生かして砥石やたわしの代わりとして利用されてきた。
- ホネボヤ
- 表皮の下に頑丈な骨格を形成する非常に硬いホヤ。海岸などに打ち上げられた個体を捕獲し肉や内蔵を除去し乾燥させたものが土産品として流通することもある。1970年代の高度経済成長期に建てられた多くの建物には、本種の骨格が鉱滓スラグとともにコンクリートの骨材として使用されていたが、砂や礫に比べてクラックを発生させやすいという問題があり、近年では著しく老朽化した当時の建造物の補修や再建にあたり、その負担が浮き彫りになっている。
-
- ニオイボヤ
- 海岸の岩場に生息しており干潮で外気に曝されるとアンモニアと形容される臭気を放つ。少数が食用としても流通しており好みが分かれるものの非常に美味とされている。ある地域では開口部を綿で塞いだものを湿らせた米ぬかに半年から一年ほど漬けて熟成させた後に取り出し、胴体内に溜まった汁をすするという伝統料理が親しまれている。
- リュウグウボヤ
- 世界中の温暖な海域の砂地に生息するホヤ。鮮やかな赤色の突起が美しく観賞や飼育用として多く出回っている。本種の写真が英国のパンクロックバンド、アヴァンガルド・パーソンの最も売れたアルバムのジャケットに起用されたことが話題を呼び各国の展示されている水族館へファンが殺到したという逸話もある。写真そのものは同バンドのプロデューサーでメンバーの親友でもあるステファン・モントゴメリーが海の人気者であるキンチャクボヤを撮影するためにダイビングに訪れたものの、全く見つからず代わりに撮影したものである。
- シロボシヒメボヤ
- 黒い体表に白の点々模様をもつホヤ。弾力のある白い身は臭みが少なく美味であるため加熱用のイカの代用品として使われていたことがある。
- フウセンボヤ
- 丸く膨らんだ形のホヤ。内部に棲む微生物によって生成されたガスを気泡嚢と呼ばれる器官に溜め込んでいる。浮力自体はあるが足が岩に固く張り付いているため浮いてしまうことはほとんどない。ナイフ等で傷を付けると気泡が勢いよく噴出するが1週間ほどで傷が塞がり抜けた空気はひと月ほどで元に戻る。
- マルフウセンボヤ
- フウセンボヤと同様に内部にガスを蓄えているが、本種の方が小型である。大西洋で行われた海軍の合同演習ではトップクラスの成績を誇るといわれた潜水工作員が隠密行動中に本種を誤って踏んづけてしまい、漏れ出た気泡で潜伏場所が見つかり撃破されたという逸話がある。当時の海軍長官であったジョナサン・M・ハリントンはこれを脅威とみなし、軍需企業に対し本種の体色である赤い色を強調するゴーグルを設計するよう命じたといわれている。
- ヤドリヒメボヤ
- ヤドカリの殻に付着している珍しいホヤである。両者は共生関係にありヤドカリは自身の体を大きく見せホヤは海中に漂うプランクトン等の餌を能動的に摂ることができるメリットがあると考えられている。
- オキナミドリボヤ
- 沖縄以南の限られた島に生息する青緑色をした非常に珍しいホヤである。絶滅危惧種に指定されており学術目的以外での取引が規制されている。
- ヒャクメボヤ
- 体表に並んだ模様が目に見えることから由来している。しかし、模様は実際に100個もなく、生息域によって模様の数が異なる。国内では、静岡県の富士川と新潟県の糸魚川を境に東側は50個、西側は60個となっているが混在している地域もあるため見分けには注意が必要である。
- ヨコシマコウハクボヤ
- 綺麗に並んだ赤と白の縞模様が特徴のホヤ。2009年には愉快な見た目をしているとネット掲示板を中心に広く紹介され話題となった。その見た目とは裏腹に内部に猛烈な神経毒を持っており海外ではいくつかの死亡例も確認されている。経皮吸収されやすく即効性が高いため、たとえ遊び半分であっても指などを入れるのは避けるべきである。
- ヨロイボヤ
- 非常に硬い灰色の鱗状の皮に覆われたホヤで、その姿は海中の甲冑とも表現される。ポルトガルのアルガルヴェ地方では中身をくり抜き乾燥させたものが土産品として売られている。変わり種としては同地方で行われたオートバイレースの入賞者に授与されたトロフィーの装飾にも使われたものもある。
- カミナリボヤ
- 体表に生えたトゲに猛毒を持つ非常に危険なホヤ。刺されると長時間の激痛に襲われる。特に浅い海域や岩場に集中して生息しているため触れたり踏んづけたりしないよう注意が必要である。刺された場合は海水で十分に洗い流した後に乾燥させ、残ったトゲをガムテープ等にくっつけて除去する。外部刺激に対して敏感なためこすったり酢や真水で洗うことは禁忌である。
- メガネボヤ
- 滑らかな胴体の上部に8を横に傾けたような模様があるホヤ。本来はイタリアのマルタ島周辺の海域のみに生息していたが、船舶のバラスト水によってさまざまな海域に拡散されており世界の侵略的外来種ワースト3000にも登録されている。2016年にはアメリカ住在のある女性によって3Dアニメーション映画に登場する黄色と水色のキャラクターに酷似した色合いの新種が発見されたと主張されたが、調査によって人為的に着色されたものと判明した。女性は詐欺罪や公衆衛生法違反に問われ仮釈放無しの終身刑23回を求刑されたものの、最終的に司法取引に応じ7ヶ月間の社会奉仕活動を命じられた。
- トックリボヤ
- 胴体はずんぐりとしているが開口部に繋がる部分が首にように細いのが特徴。表面の皮は厚く比較的ざらざらしており他の種類に比べて捕食されにくいといわれている。底面から約1センチメートルのところをナイフ等で切断し、別の個体の表面にあてがっておくとそのまま癒着し生存し続ける。フランス出身の芸術家ルシアン・デザール (Lucien Désart)はこの生態を利用し、3年を掛けて人間の形をかたどった像「生きたマリオネット 」を創り上げているが、オークションでの落札額はわずか503ユーロであった。その後、所有者によってノルマンディー地方の海中に設置されたが、その逸話と奇抜さが有名になったことで観光客やダイバーで賑わうようになり、地元経済に大きな効果をもたらしているという。
- トゲボウズボヤ
- 体表に無数の棘と刺胞を持つが魚類や貝類にしか刺さらないほど弱いため、人肌に触れてもざらざらとした感触がある程度で無害である。しかし、まれに軽い炎症を起こすことがあるといわれているため、本種を触った手で目をこすったり粘膜に触れるのは避けるべきである。
- フンスイボヤ
- 地中海から大西洋にかけて多く分布するホヤ。海底の堆積物や養分を表層に吹き上げて循環させる"ポンプ"として生態系にとって大変重要な役割を担っている。フランスのル・ブルジェ大学で行われた出水口にホースと容器を繋いだ実験によって1分あたりの流量が5リットルほどあることが判明している。
- ナキボヤ
- 太平洋沿岸部を中心に生息するホヤで刺激を与えると筋肉を収縮させながら縮む。水中から出した状態では空気を巻き込みキューという音を立てることが和名の由来となっている。海岸に打ち上げられることも多く、海水浴客などにおもちゃにされてしまうこともしばしばである。
- ゾウリボヤ
- インドネシアからオーストラリアにかけて生息するホヤ。胴体の伸縮性が非常に高く、引っ張ると数十センチほど伸びる。そのため、現地では20世紀半ば頃まで内臓を除去したものがサンダルの代わりとして使われていた。近年では海に訪れた観光客などが真似をして履こうとする例もあるが、慣れていない人が突然履くと滑りやすく大変危険であり、そもそも、遊び半分で生き物を扱う行為は慎むべきである。こうした問題への対処として生息地では地元警察による監視が強化され違反者に罰金刑を科すなど、保護の動きが進められている。
- カイゾクボヤ
- 赤道から南半球にかけて生息するホヤ。胴体基部にある強力な吸盤で船体に張り付くことがあり、船乗りの間では厄介な存在として扱われ名前の由来にもなっている。大戦時には就航直後に沖合へ遠征していた最新鋭の戦艦である「かまぼこ」の船底に無数の本種が張り付きバランスを崩して座礁するという事故を起こしている。この出来事は船の性能や大小を問わず被害をもたらす可能性を示し、当時の海上輸送に大きな混乱をもたらした。余談として、大破した戦艦「かまぼこ」は修復不可能とされ数十年間港へ係留されたのち、収容スペースの大きさに注目され実験艦として再整備されることになる。深海探査艇「かなづち」の母船として支援任務に就いた際、偶然にも生きたカイゾクボヤのサンプルが採取され、対面することとなった。かつて自らに戦果をあげた存在との再会に驚きつつも、乗員たちはその奇妙な縁に微笑んだという。
- ヌマボヤ
- 知られている限り、淡水域で活動する唯一のホヤである。ため池や沼といった止水環境に生息する傾向があり、海とつながった生息地が隔てられ、陸封型として変化した説や、淡水に耐性のある個体群が人為的に移入されたとする説などが提唱されている。しかし、幼生などは発見されておらず、海から遡上してくるのかそれとも淡水でライフサイクルが確立されているのかどうかは不明である。
- ハノイボヤ
- アジア~オーストラリア全域に分布する、直径が20センチメートル程度になるホヤ。やや大型である点を除いて、生態などは他の種類とあまり変わらない。捕獲されたものを真水で洗浄し、グリセリンに浸して処理をすると頑丈なゴムのように変質することから、インドでは列車の乗り心地を改善するクッションとして利用されている。変わり種として、自動車関連の映像作品である「ホットオプション」では本種を処理、加工したものをトヨマタ・JTX90型エスケープの足回りのゴム部品に流用して走行する検証企画が行われ、同作品に多く出演し顔なじみのドライバーであるラーメン田中によってこの"自然素材"を使ってチューニングされたマシンのテストが敢行された。しかし、サーキットを軽く流した程度ではびくともせず、痺れを切らしてマシンをドリフトで振り回したものの、足回りからのきしみ音と振動が増大する以外は支障はなく実験は最終的に32周で打ち切られた。この企画が契機となり、同作品では「切り株ホイールとタイヤでドライブ」「ハチの巣でエアフィルターを作る」「プロペラシャフトの代わりになる木を探す」「粘土と落ち葉でエアロパーツ作成」「ツタ植物の編み込みロールケージ」などの自然素材を活用した実験企画が行われた。
- テンタクル・インテスティヌム
- 地中海に生息するホヤ。上部に触手のようなものが10本生えているのが特徴で、成熟したオスは体色が鮮やかな赤に変化する。その美しさから、小学校の家庭科授業で使われる裁縫箱のデザインにも採用されたこともあり、当時の児童の間ではドラゴンと1、2位を争う人気であった。非常に繊細で水質に敏感なため、かつては水族館や試験研究機関など専門的な知識と設備を有する施設でのみ飼育が行われていた。しかし、ある熱心な個人によって飼育方法が確立されて以降は観賞用として流通するようになり、愛好家の間では21世紀最大のブレイクスルーとも評された。現在では「飼育しやすい」とされることもあるが、あくまで過去との比較であり、充分な容量の水槽とオーバーフロー式のろ過装置、水温を一定に保つヒーター・クーラーなど海洋生物を安定して飼育できる設備が最低限求められる。また、高度な水質維持とノウハウが不可欠であるため、ビギナーが容易に手を出すのは避けるべきである。
- ジゴクボヤ
- アメリカのアルカトラズ島近辺のみに生息するホヤ。比較的浅い場所のみに棲んでいるが、時には海面に浮かび潮の流れを利用して移動することもある。島が刑務所として機能していた時代に起こった著名な脱獄事件では、囚人が海に浮かんだ本種を食い繋ぎながら陸まで泳ぎ切り、行方をくらましたという。
- アナゴボヤ
- ホヤアナゴと共生関係にあるホヤ。内部には長く伸びた消化器官が発達しており、アナゴの棲み家としての役割を果たす。ホヤはアナゴの存在によって寄生性のキンチャクカクレガニから身を守ることができるほか、アナゴの出入りにより内部が常に清潔に保たれる。しかし、魚類以外の侵入者には抵抗するものの共生相手を見分ける方法を持たないため、ホヤ類を主食とするホヤウツボが入り込み内部から食い荒らされてしまうこともある。
- デンキボヤ
- 体表に無数の刺胞を持つ危険なホヤ。触れると炎症を起こし、しびれるような痛みに襲われる。刺胞に含まれる毒は熱や酸で分解されるため刺された場合は患部を45℃程度のお湯や酢で洗い流すとよい。似た生態をもつカミナリボヤとは対処法が異なり、取り違えると症状を悪化させてしまうため注意が必要である。
- シビレボヤ
- 筋肉内部に発電器官を持つホヤで、細胞膜ひとつひとつをバッテリーのセルとして機能させ放電を行う。常に微弱な電気を流しながら他の生物や餌を探知しているが、捕食者や天敵に襲われると体を収縮させ、400V程度の強力なショックを与えて撃退する。デンキボヤやカミナリボヤなどと混同されることがあるが、本種は胞子を持たず体表がなめらかなのが特徴である。しかし、どの種も非常に危険であることに変わりはなく、生息域での遊泳や扱いには細心の注意が必要である。
- アブラボヤ
- 黄色に黒のまだら模様が特徴のホヤ。内部には脂肪を蓄えており、餌のない場所でも数ヶ月の間生存することができる。加熱するとしみ出してくる油分には独特の香りと風味があり、モザンビークやマダガスカルではネズミ避けとして使われるほか、日本海に面する地域では天ぷらの隠し味に加えられることもある。